日曜数学者の顔

 本業のウェブ開発は順調に運んでおり、生活に何の不満もなく、恵まれた時代を謳歌して暮らしている。実は、趣味の数学が効いている。

 趣味で数学を研究する団体「日曜数学会」の会員となって長く経つ。不定期でカフェに集まってPowerPointスライドを持ち寄るなどして今熱中している数学の話題を語り合う。参加できない場合はウェブで発表することも可である。

 数学はずっと好きな科目だったので、将来はカフェで論文を読む休日を過ごそうと考えていたのだが、思いの外、早く実現した。しかも昂じて、自分の研究についてウェブページを制作し、ドメインを取得し、サーバーを借りて公開している。「ポリゴングラフ」「牽引説」「膜分隔」などのキーワードで検索してトップでヒットするコンテンツの作者は私。名前だけだが、「髙橋数理研究所」を立ち上げて活動してもいる。

 計算機、特にウェブが社会の変革を早めている今にあって、数学は最もパワーのある技術だと思う。従来の計算をショートカットできる数学を発明すればソフトウェアが高速になる。複雑に思う現象を捉える数理モデルを見つければ新たな原因と対策が見える。図像を自由に操って計算手順を考案すればそのままプログラミングに応用できる。これほど数学者が優勢な時代は歴史上なかったと思う。

 語りすぎたが、今日も自宅の書斎で情報処理の本や開発言語の本、外国語の辞典、数学やデザインやゲノム科学や料理の事典が肩を並べる。読み切れない幸福。そして、PCを開けば開発途中のウェブサイトが数十件更新を待っている。やることがたくさん。課題が山積する机はいつも大目に見てくれている。

参考:最近の研究成果。神さまがサイコロを振るかどうかについて、神さまがサイコロを振る確率を考えることで、神さまはサイコロを振らないことが簡単に証明できました。