仲秋の名月とススキ 大野幸二 09.09.10
午前6時 日の出前 シュリエット 権太坂
午後5時 残月 権太坂
午後6時 日没 権太坂
秋になりました。中秋の名月を迎えます。
家々では窓際に、秋に収穫された作物に、お月見団子を添え、ススキを飾って、名月を鑑賞します。
この行事は、満月を豊穣の象徴として、秋の収穫に感謝を込めたものです。
稲がまだ実っておらず、同じイネ科のススキを代用しているのです。
万葉集には19首詠まれています。
山上憶良に詠まれた
萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花
の「秋の七草」のひとつです。
ススキは「尾花」「茅」とも言います。馬の尾の毛、たてがみに似ています。
また、茅葺の屋根に使います。ススキの野原を茅場と呼びます。
一方、ススキは古代から寂しく、もの悲しいものを表現するときに使われています。
古今集や枕草子にも取り上げています。日本人の秋の風情に合っているからでしょう。
写真では夕日を背にし、風にたなびくススキを撮ったり、夕日が銀色に照らすススキの野原を狙います。
光と風によって、幻想的な表現ができます。
ススキがあれば一段と寂しい秋の風情が伝わります。
保土谷では開発が進みこんな原風景を見つけるのが難しくなりました。
せめて、中の秋名月をススキの飾りを入れて、思い出に撮影してはい赤がでしょうか。
午後4時、風にそよぐ